
10月29日、海口市で開かれた第5回世界食学フォーラム。(海口=新華社配信)
【新華社海口11月2日】中国海南省海口市で10月29、30両日、第5回世界食学フォーラムが「食学による食システム問題の総合的解決」をテーマに開かれた。9月に天津市で開かれた上海協力機構(SCO)プラス会議と同会議での「グローバル・ガバナンス・イニシアチブ」提唱後に国連の支援を受けて実施された具体的な取り組みの一つとなった。
食に関する問題はグローバルガバナンスの重要分野で、人類の生存と発展、未来の福祉に深く関わる。国連の持続可能な開発目標(SDGs)が掲げる17目標のうち、13の目標が食学の理念と密接に関連している。
フォーラムでは「グローバル食システムと持続可能な開発目標報告(2025)」が発表され、国連代表に手渡された。世界115カ国の専門家・学者が共同で編さんした報告書は、食学が理論から実践、世界の「食のガバナンス」がコンセンサス(合意)からアクションへそれぞれ進んだことを示した。潘基文(パン・ギムン)元国連事務総長は報告書の序文で「複雑な食システムの課題には全体を網羅する包括的な知識体系が必要であり、食学はその体系になる」と強調した。
フォーラムに出席した全国政治協商会議(政協)委員・同会議民族・宗教委員会委員の楊小波(よう・しょうは)氏は、食学理論は断片化・分断化されていた食に関する知見を体系的に統合し、人類の食に対する認識をブロック化から全体化へ進めるための「中国の知恵」「世界の公共財」を提供するとの考えを示した。
中国工程院院士(アカデミー会員)の尹偉倫(いん・いりん)氏はあいさつで、食システムは個人の衣食や健康にとどまらず、文明の持続可能性と人類の未来にも関わると強調。評価体系の再構築、国際協力の強化、社会参加の促進、食学体系の共同構築を挙げ、食学の科学体系を通じて、より公平で強靱(きょうじん)な世界の食の秩序を構築していくべきとの考えを示した。(記者/王存福)