茶と観光の融合発展を探る中国の茶農家 甘粛省隴南市

茶と観光の融合発展を探る中国の茶農家 甘粛省隴南市

新華社 | 2025-05-27 09:41:00

 隴南市文県李子壩村の茶園。(4月28日撮影、蘭州=新華社記者/多蕾)

 【新華社蘭州5月27日】中国の多くの茶の産地ではここ数年、茶産業と観光産業の融合発展を探り始めており、製茶工房や民宿、茶を使った食品の体験館など、新たな業態で各地の観光客を呼び込んでいる。

 甘粛省の最南端に位置する隴南(ろうなん)市は、土壌と気候条件により特色のある「高山雲霧茶」を育んできた。かつては交通の便が悪く、茶園の管理も大ざっぱだったため、地元の茶葉は知名度が低く、茶農家の収入もいまひとつだった。

 今年の労働節(メーデー)連休期間中、茶摘み体験ツアーに参加した子どもたちに茶摘みについて説明する任万凱さん(左)。(蘭州=新華社配信)

 同市文県碧口鎮共産党委員会の邢広勝(けい・こうしょう)書記によると、地元政府は茶葉加工企業の誘致を通じ、合作社(協同組合)や家族経営の農場による多様な茶葉製品の開発を奨励し、茶葉の収穫期と産業チェーンを拡大した。同時に、地元農家の収入源が茶摘みと茶葉販売だけに限られないよう、茶荘園(茶の生産から文化や観光、研究などを一体化した場所)や茶民宿(茶文化をテーマにした民宿)など茶と観光の融合発展を加速させている。

 同県李子壩村の任万凱(にん・ばんかい)さんは40ムー(約2・67ヘクタール)以上の茶園を所有する。大学卒業後、故郷に戻って起業し、実家の古民家を改修して100人収容可能な「茶民宿」を建てた。観光シーズンには予約困難なほどの人気となる。観光客は民宿に滞在して景色を楽しみ、農家料理を味わい、茶摘みや製茶も体験し、茶葉の販売をけん引している。

 今年の労働節(メーデー)連休期間中、隴南市文県李子壩村で茶摘み体験を楽しむツアー客。(蘭州=新華社配信)

 これらの茶に関する活動は、都市に住む観光客にとって新鮮に映る。四川省綿陽市の観光客、馬一凡(ば・いつはん)さんは「摘み取りから焙煎まで、茶葉作りの全ての工程は奥が深い」と交流サイト(SNS)で共有した。

 任さんによると、民宿は繁忙期には1万元(1元=約20円)近くの増収となり、普段の茶園の管理に影響することなく、茶葉の販路も拡大しているという。より多くの村民が任さんの後に続き、茶と観光の融合発展の新たな道を進んでいる。(記者/任延昕、多蕾)

 今年の労働節(メーデー)連休期間中、任万凱さんの民宿の中庭で科学普及動画を見る茶摘み体験ツアーに参加した子どもたち。(蘭州=新華社配信)

 隴南市文県李子壩村の茶園。(4月28日撮影、蘭州=新華社記者/多蕾)

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