天津港に接岸するコンテナ船「ルアンダ号」。(2023年12月21日、ドローンから、津=新華社記者/趙子碩)
【新華社広州5月23日】中国市場ではここ数年、中南米・カリブ地域からの良質な製品が存在感を高め、需要と供給が一致している。中国は同地域にとって第2位の貿易パートナーで、2024年のモノの貿易額は前年比6%増の5184億6700万ドル(1ドル=約144円)、うち中国の輸入額は2414億6600万ドルと、5年前から約46%増加した。
中国の消費高度化や内需振興を図る政策の施行に伴い、消費者の良質な製品に対するニーズが高まり続けている。中南米・カリブ地域から中国へ輸出される製品は付加価値の高さと特有の品質の優位性によって、新たな需要を満たす重要な存在になりつつある。
天津市西青区のスーパーで、入荷したばかりのチリ産チェリーを選ぶ買い物客。(2024年12月26日撮影、天津=新華社記者/孫凡越)
双方の貿易・経済協力において、農産物は常に目玉となってきた。チリ貿易振興局のデータによると、同国の24年のチェリー輸出額は30億9100万ドルを超え、9割以上が中国へ輸出された。旺盛な需要がけん引役となり、今やチリは中国にとって果物の第2位の輸入相手国となっている。チリ産プルーン、ペルー産種なし白ぶどう、ブラジル産コーヒーなどの農産物も徐々に中国市場に進出し、エクアドル産バラ、コロンビア産ハイドランジア、ペルー産アマリリスなどの切り花も中国でよく売れている。
中国は今年、消費振興と内需拡大を重要な経済対策に位置づけ、ハイレベルな対外開放の拡大、貿易・外資安定を年間活動の重点任務としている。政策がけん引役を発揮することで、さらに多くの中南米・カリブ地域の良質な製品の対中輸出に商機がもたらされるとみられる。
第6回中国国際輸入博覧会のホンジュラスのパビリオンでコーヒー豆などの製品について尋ねる来場者。(2023年11月6日撮影、上海=新華社記者/金立旺)
中山大学国際翻訳学院(広東省珠海市)の張芯瑜(ちょう・しんゆ)准教授によると、中国はここ数年、中南米・カリブ海地域の複数の国と自由貿易協定(FTA)を結び、貿易の自由化、円滑化を促進している。
05年にチリとFTAを結んで以来、中国はペルーやコスタリカ、エクアドル、ニカラグアともFTAを締結し、いずれもすでに発効し、実施されている。