中国甘粛省のインバウンド急増 シルクロード遺跡や大自然に脚光

中国甘粛省のインバウンド急増 シルクロード遺跡や大自然に脚光

新華社 | 2025-05-21 13:39:45

甘粛省の観光PRイベントで漢服姿を披露する外国人。(4月7日撮影、蘭州=新華社配信)

   【新華社蘭州5月21日】中国甘粛省では近年、シルクロードの遺跡や自然景観を生かした観光開発が進み、インバウンド市場が急速に拡大している。甘粛省文化観光庁の何效祖(か・こうそ)庁長によると、2024年に同省を訪れた海外観光客は前年比約2・4倍の24万7900人に達した。

   中国ではビザ免除の対象国拡大につれ、インバウンドの旅行ニーズが多様化し、北京や上海などの大都市や定番の観光都市に加え、あまり知られていない魅力的な目的地を求める旅行者が増えている。シルクロードの黄金ルートに位置する甘粛省でもインバウンド市場が盛り上がり、大勢の海外観光客が訪れるようになっている。

ラーメン作りを体験する外国人観光客。(4月7日撮影、蘭州=新華社配信)

   今年は中国がシルクロード経済圏構想「一帯一路」の「ビジョンと行動」提起から10周年にあたる。シルクロードならではの国際色豊かな観光ルートや観光商品がますます充実し、「シルクロード観光」を支える新たな原動力となっている。

   甘粛省文化観光庁は4月、20以上の国・地域の観光機関職員や旅行業者、インフルエンサーなど約140人を招き、観光PRイベントを行った。参加者は仏教遺跡の莫高窟の見学、名物のラーメンづくり、特産茶「三炮台」の試飲などを体験し、古代シルクロードの魅力を感じるとともに、同地の観光業の新たな可能性について意見を交わした。

甘粛省の観光PRイベントに招かれて講演するプロデューサーの井上隆史氏。(4月7日撮影、蘭州=新華社配信)

   日本は甘粛省にとって主要なインバウンド市場の一つ。イベントには、NHKのドキュメンタリー番組「新シルクロード」を手がけたプロデューサーの井上隆史氏も招待され「文化遺産や歴史に焦点が当たりがちだが、大自然やローカル鉄道など多様な魅力がある。ニューメディアを活用すれば若者にも訴求できる」と観光業のさらなる発展に期待を寄せた。

   国連世界観光機関(UNツーリズム)技術協力部門のマルセル・ライザー副部長は、シルクロード沿線の国と地域は観光業による文化遺産保護や地域の一体化、異文化交流促進の役割をますます重視するようになっており、今後は加盟国間のシルクロード観光協力が一層強化されるだろうとの見通しを示した。(記者/文静)

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