生命の謎に迫る 中国で「デジタル生命」メガサイエンス計画が始動

生命の謎に迫る 中国で「デジタル生命」メガサイエンス計画が始動

新華社 | 2025-04-30 08:55:15

24日、北京市の懐柔科学城で行われた「デジタル生命」メガサイエンス計画の始動式。(北京=新華社配信)

 【新華社北京4月30日】中国の北京大学国家生物医学イメージング科学センターが発起した「デジタル生命」メガサイエンス計画がこのほど、北京市の懐柔科学城で始動した。

24日、「デジタル生命」メガサイエンス計画の始動式であいさつする北京大学国家生物医学イメージング科学センター主任の程和平(てい・わへい)中国科学院院士(アカデミー会員)。(北京=新華社配信)

 生物医学イメージング分野の国家大型科学技術インフラ「マルチモーダル・クロススケール生物医学イメージング施設」をよりどころに、クロススケール(異なる階層・時間軸データを統合した解析)やマルチモーダル(異なる種類のデータを組み合わせた解析)などの技術によって可視化された生命体の構造と機能を観測し、精密測定する。生命現象や疾病発生のメカニズムをデジタルで「描写」することで、複雑な生命科学の問題の解決支援と重大疾病の研究促進を図り、生命の謎を解明する。

 マルチオミクス(生命科学の統合的な解析)やビッグデータ、人工知能(AI)などの技術が急速に発展する中、生物医学研究のパラダイムは大きく変わりつつある。

24日、マルチモーダル・クロススケール生物医学イメージング施設の主要建築の外観。(北京=新華社配信)

 計画の推進に向け、北京大学国家生物医学イメージング科学センターは多くの大学や研究機関、病院と連携し、第1弾として「デジタル脳依存メカニズム」「AIによる生物時計の解読」「デジタル心臓」「デジタル骨髄」「デジタル幹細胞」「デジタル腫瘍と腫瘍微小環境」など13件の重点プロジェクトを実施する。

24日、マルチモーダル・クロススケール生物医学イメージング施設の模型。(北京=新華社配信)

 同センター主任、程和平(てい・わへい)中国科学院院士(アカデミー会員)は「世界の生命科学は『ビッグデータ+AI』が主導する新時代に入りつつある」と指摘。「デジタル生命」メガサイエンス計画は、生命の複雑系でのクロススケールなデータ統合という難題解決に寄与し、疾病メカニズム研究や精密医療の発展を技術的側面から支えていくと語った。(記者/魏夢佳)

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