BYDの世界最大運搬船就航 「自社輸送」加速

BYDの世界最大運搬船就航 「自社輸送」加速

新華社 | 2025-04-29 11:39:45

 22日、金陵船廠の埠頭に停泊する自動車運搬船「深圳号」。(ドローンから、儀徴=新華社配信)

 【新華社深圳4月29日】中国が独自製造し、すでに運用を開始した積載量が世界最大の自動車運搬船であるBYDの「深圳号」が27日夜、江蘇省の太倉港を出発した。同船はBYDの新エネルギー車(NEV)7千台超を積み込み、ブラジルのイタジャイ港に向かう。航海は30日余り。

 BYDは中国の有名NEVメーカーだ。専門家は、「深圳号」の就航は中国の「国産車自社輸送」時代の加速度的な到来を反映していると指摘した。

 「深圳号」は招商局傘下の造船所が建造した9200台分の標準自動車積載能力を持つNEV運搬船で、BYDにとって4隻目となるNEV専用運搬船だ。これまでに就航した3隻のNEV専用運搬船もすべて中国で製造されたものだ。

 22日、江蘇省儀徴市の金陵船廠で引き渡された自動車運搬船「深圳号」。(ドローンから、儀徴=新華社配信)

 中国税関総署の統計によると、2024年の中国の自動車輸出台数は640万台の大台を突破し、2年連続で世界一となった。別のデータによると、現在世界で自動車の遠洋輸送に従事する専用船は700隻余りあるが、そのほとんどは欧州、日本、韓国企業が支配しており、中国の自動車運搬船の輸送能力は世界の2・63%にすぎない。中国の自動車の輸出能力と海上輸送力は依然ミスマッチである。

 この数年、BYD、奇瑞控股集団、上海汽車集団などの中国の自動車メーカーは相次いで自社船団の編成に乗り出している。2023年1月、広船国際はBYDから2隻のデュアルフューエル自動車運搬船の受注を獲得したと発表した。これに続いて奇瑞控股集団が自社船団の編成を宣言した。上海汽車集団傘下の安吉物流もこの数年、江南造船所に7千台以上の積載能力を持つ大型自動車運搬船を複数隻発注している。

 試験航海を終え帰港する自動車運搬船「深圳号」。(3月31日、ドローンから、儀徴=新華社配信)

 2025年第1四半期(1~3月)、BYDのRORO船は海外に2万5千台以上のNEVを輸送した。現在、BYDのNEVは世界100余りの国・地域に「足跡」を残している。

 業界の専門家は、海運コストは末端価格に大きく影響するため、自社で船団を建造・運営することで、中国の自動車メーカーはより多くの発言権と自主権を持つことができるようになるとみている。

 中国交通輸送協会新技術促進分会の専門家委員、解筱文(かい・しょうぶん)氏は、自動車メーカーが自社船団を持つことで、輸出業務の安定を保障し、輸送コストを引き下げ、海外ユーザーへの期日通りの納品が可能になると説明した。

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