山西省長治市で発掘された擬木構造壁画墓の東壁壁画と題辞。(太原=新華社配信)
【新華社太原4月29日】中国山西省考古研究院は、2024年後半に同省長治市潞州区陳村の北西部で宋・金時代の墓9基を発掘したと発表した。多くは壁画墓で、山西省南東部における宋・金時代の葬送習俗や社会生活、歴史文化、家族の変遷を補完する実物資料となり、建築考古学や美術考古学の研究を支える重要な裏付け資料にもなった。
山西省長治市で発掘された磚彫壁画墓の墓室北壁に残る壁画。(太原=新華社配信)
山西省考古研究院の王欣(おう・しん)さんによると、9基のうち7基が擬木構造を採用しており、うち4基が壁画墓、1基が磚彫(せんちょう=れんが彫刻)墓、2基が磚彫壁画墓だった。残る2基は土洞墓で、6基の磚室墓は構造が良好な状態に保たれていた。
山西省長治市で発掘された磚彫壁画墓の南壁西側に残る磚彫牽馬(けんば)図(左)、踏碓(とうたい=踏み臼)図。(太原=新華社配信)
4基の壁画墓のうち3基で金の皇統6(1146)年の年代が確認され、壁画は主に労働図や散楽(民間芸能)図、雑劇(古典演劇)演目、孝行図だった。磚彫墓と磚彫壁画墓は宋代のものと推測され、磚彫墓には孝行図が多く見られ、磚彫壁画墓は全体が調和の取れた鮮やかな色彩で彩られ、孝行図や労働図が浮き彫りで表現されていた。(記者/王学濤)
山西省長治市で発掘された磚彫壁画墓の北壁西側に残る磚彫侍宴図。(太原=新華社配信)
山西省長治市で発掘された擬木構造壁画墓の墓室南壁壁画。(太原=新華社配信)