みそを手にする内蒙古科沁万佳食品の于海竜(う・かいりゅう)董事長。(2月20日撮影、フフホト=新華社記者/貝赫)
【新華社フフホト3月4日】中国内モンゴル自治区興安(ヒンガン)盟にある食品会社、内蒙古科沁万佳食品の生産ラインでは連日、忙しくも秩序正しい生産の光景が広がっている。豆の香り漂う工場内では、清潔な作業着を着た従業員たちが手順に従いみその半製品を整然と中温発酵室に運んでいく。
1993年、鹿野正春氏や柴田義孝氏ら日本人が農産物加工品の生産状況視察のためヒンガン盟を訪れ、詳細な調査と化学分析の結果、地元の大豆や米、水がみそ醸造に最適だと判断した。その後、みその生産と日本市場への輸出を主要業務とする中日合弁の内蒙古万佳食品(内蒙古科沁万佳食品の前身)が設立された。
内蒙古科沁万佳食品のみそ工場で指導する日本人専門家、林隆仁氏(中央)。(2019年撮影、フフホト=新華社記者/貝赫)
内蒙古科沁万佳食品の于海竜(う・かいりゅう)董事長は「当初、みその年間生産量は300トンに満たず、発展は困難を極めた」とし、「97年の日本視察旅行で多くの気づきを得た。工場に入るとすぐ、日本企業の先進的な設備、高品質な製品に魅了され、自分たちの工場もこのようにできると感じた」と振り返った。
2000~01年にかけ、内蒙古万佳食品は有機JAS認証みそ、西京白みそ、麦みそを相次いで日本に輸出し、有機みそや革新的な少量生産みそ製品で市場の信頼を得た。
于氏は「有機、グリーン(環境配慮型)、無公害の原則を堅持しなければならない」と強調し、「興安盟の恵まれた自然環境は、当社にとって品質の礎であり、コアコンピタンス(企業の核となる能力)でもある」と語った。
内蒙古科沁万佳食品が旧社名の内蒙古万佳食品時代から掲示する「日本JAS有機原料倉儲庫」のプレート。(2月20日撮影、フフホト=新華社記者/貝赫)
内蒙古科沁万佳食品は30年余りにわたって日本と友好的な協力関係を維持しており、日本のマルマン、安藤醸造、マルコ醸造、糀屋柴田春次商店などの醸造専門家が何度も中国を訪れ、同社に技術支援を提供してきた。中でも、マルマンの専門家、林隆仁氏(現代表取締役社長)は中国を100回以上訪れ、同社みそ工場の黄鉄竜(こう・てつりゅう)主任など地元の醸造専門家を育成した。
現在、内蒙古科沁万佳食品の工場は第3世代へとアップグレードし、みその年間生産量は1万トンに増加、生産する製品の種類も日増しに多様化しており、みそやしょうゆなどの製品は世界52カ国・地域に輸出されている。(記者/貝赫)
内蒙古科沁万佳食品のみそ工場で、わかめ入りみそを小分けにする作業員。(2月20日撮影、フフホト=新華社記者/貝赫)
内蒙古科沁万佳食品のみそ工場で製品の計量を行う作業員。(2月20日撮影、フフホト=新華社記者/貝赫)
内蒙古科沁万佳食品のみそ工場で、海外に輸出するわかめ入りみそを見せる従業員。(2月20日撮影、フフホト=新華社記者/貝赫)
内蒙古科沁万佳食品でフォークリフトを操作し半製品みそを発酵のため中温発酵室へ運ぶ作業員。(2月20日撮影、フフホト=新華社記者/貝赫)
内蒙古科沁万佳食品の社内に置かれた、日本へ輸出されるみそ。(2月20日撮影、フフホト=新華社記者/貝赫)
内蒙古科沁万佳食品の実験室で、黄豆醤(中国大豆みそ)の色あいを確認する従業員。(2月20日撮影、フフホト=新華社記者/貝赫)
ヒンガン盟ウランホト市にある内蒙古科沁万佳食品。(2月20日、ドローンから、フフホト=新華社記者/貝赫)