香港のビクトリア湾。(資料写真、香港=新華社記者/陳鐸)
【新華社香港2月28日】中国香港特別行政区政府財政司の陳茂波(ちん・ぼうは)司長は26日、2025年4月~26年3月の会計年度の財政予算案を発表、香港は基礎を固めて発展を加速させ、正しい道を守りつつイノベーションを進め、「新たな質の生産力」(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)を育成していくと表明した。人工知能(AI)が新たな質の生産力の育成を加速させる核心的要素になるとも述べた。
陳氏は、世界の構図の変化と技術変革が進む中で香港は発展の重要な局面にあると指摘。状況に応じた措置によって新たな質の生産力の育成を加速させ、質の高い発展を推進する必要があるとの考えを示した。
「一国二制度」が持つ制度面での優位性と国際化という特性を生かし、香港をAI産業の国際交流・協力の集積地にすると表明。最先端の研究と実用化を通じてAIを全力で重要産業へ発展させ、既存産業の高度化・転換を活発化させると述べた。
香港は今年、AIスーパーコンピューティングセンターの計算速度を段階的に高めていく。香港微電子研発院(マイクロエレクトロニクス研究開発院)の二つの中間検査ラインが年内に元朗創新園(イノパーク)のマイクロエレクトロニクスセンターで組み立てられ、来年の稼働を目指すほか、特区政府がAIのイノベーション研究開発と産業利用の促進のために既に確保している予算10億香港ドル(1香港ドル=約19円)を用いて香港人工智能研発院を設立する。
陳氏は、テクノロジーによる産業発展を加速させるとし、特区政府が計画に基づき、大学の生命健康研究開発院設立を支援すると表明。「InnoHKイノベーション香港研究開発プラットフォーム」の枠組みの下で香港宇宙ロボット・エネルギーセンターを設置したことも明らかにし、同センターの目標が、多機能月面作業ロボットを開発して月探査機「嫦娥8号」(28年打ち上げ予定)のミッションに貢献することだと紹介した。