【新華社北京2月24日】中国河南科技学院小麦研究センターの茹振鋼(じょ・しんこう)教授は23日、新華社が配信した討論番組「中国経済円卓会議」で、科学技術革新が種苗業の発展を支えているとした上で、中国の小麦品種育成の速度と精度が高まり、小麦製品から大きな幸福感を味わえるようになったと述べた。
23日、中国経済円卓会議の収録現場。(北京=新華社記者/李賀)
種子は「農業の半導体」と言われており、農業の新たな質の生産力を発展させるには種苗業の振興が鍵となる。2025年の「中央1号文書」(農村改革をさらに深化させ、農村の全面振興を着実に推進することに関する中国共産党中央委員会と国務院の意見)は、種苗業振興の行動を深く実施し、複数の画期的な品種の開発を加速すると明記している。
23日、中国経済円卓会議で発言する茹振鋼教授。(北京=新華社記者/李賀)
茹氏は、中国の小麦育種が収量や品質、特別な効果において顕著に向上し、国民の幸福に対するニーズに一層合致したと指摘。「以前は私たちが育種基準を定めていたが、今では一般の人も研究者に育種の要求を出せる」と説明し、供給側と需要側が協調、連動しながら共に前進することで農業の生産力と生産効果が高まったとの見方を示した。
山東省濰坊市のスマート温室で作物の手入れをする生産者。(2024年3月19日撮影、濰坊=新華社記者/徐速絵)
質の向上に加え、量の増加も保証されている。品種の収量と育成速度は、食糧生産量に影響する重要な要素である。茹氏は現在の品種について「遺伝子レベルが高いだけでなく、品種育成のペースも速い」と語り、40年前には1ムー(約667平方メートル)当たり約200キロだった国内の小麦収量が今では400キロに近づいており、高収量研究農地では800キロを実現したと紹介。「現在の収量は1ムー分の生産力を2ムー分に増やしたことになり、わが国の食糧安全保障が強化された。少ない用地で多くの穀物を生産し、より多くの人を養うことができる」と述べた。