複数種類のマイクロプラスチックを吸着したオールバイオマス繊維スポンジの電子顕微鏡画像(カラー部分がマイクロプラスチック、灰色部分がスポンジ)。(武漢=新華社配信)
【新華社武漢12月6日】中国湖北省の武漢大学はこのほど、同大学資源・環境科学学院の鄧紅兵(とう・こうへい)教授のチームと華中科技大学(武漢市)の周雪(しゅう・せつ)教授のチームが、再利用可能な新型生分解性オールバイオマス繊維スポンジを開発したと明らかにした。
このスポンジは初回使用時に水中のマイクロプラスチックを99・8%除去可能で、水中マイクロプラスチック除去の新たな対策を提供した。研究成果は国際学術誌サイエンス・アドバンシスで発表された。
論文の責任著者である鄧氏によると、研究チームが開発したのは廃棄されたイカの骨から抽出したキチンと綿花から作られた新型バイオマス繊維スポンジ。多孔質構造で豊富な表面官能基を持ち、食品包装や繊維製品、その他工業製品に含まれる複数種類の一般的マイクロプラスチックを吸着可能だという。
さまざまな大きさや形状で製造可能なオールバイオマス繊維スポンジ。(武漢=新華社配信)
研究によると、新型スポンジは初回吸着サイクルで水中に含まれる99・8%のマイクロプラスチックを吸着。5回の吸着サイクル後も95%を超える除去率を保ち、優れた再利用性を示した。
鄧氏はバイオマス材料を「水中のマイクロプラスチック汚染という複雑な問題を解決する有効かつ経済的な方策」とした上で、「今回開発したオールバイオマススポンジは製造方法が簡単で、大量生産の可能性を秘めている。近い将来、大規模な水処理や家庭用浄水器など実際の生活中での応用が期待できる」と語った。(記者/熊翔鶴、侯文坤)