中国で旅行を楽しむ高齢者増加、観光消費拡大の力に

中国で旅行を楽しむ高齢者増加、観光消費拡大の力に

新華社 | 2024-10-25 15:25:08

天津市西青区を散策する高齢者。(資料写真、天津=新華社配信)

  【新華社天津10月25日】中国の伝統的な祝日、重陽節(旧暦9月9日、今年は10月11日)が過ぎると間もなく、天津市に住む劉韶花(りゅう・しょうか、仮名)さん(67)は、旧友らと共に天津国際クルーズ母港からクルーズ船「愛達・地中海(アドラ・メディテラニア)」に乗り、日本と韓国への旅行に出かけた。

  同船の関係者は、「シニア世代の旅行客は世界と中国のクルーズ船市場において、いずれも大きな割合を占めており、重要な顧客層の一つとなっている」と語った。

  オンライン旅行大手の携程集団(トリップドットコム)によると、今年に入り中国の高齢者によるクルーズ船旅行の申し込みは6・5倍に増加した。中国国家統計局のデータでは、中国の65歳以上の人口は昨年末時点で2億1700万人に達し、総人口に占める割合は15・4%に高まっている。

  中国文化・観光部直属の研究機関、中国観光研究院の戴斌(だい・ひん)院長は、1960年代、70年代生まれの新中高年層は、収入や知識構造、消費理念の点で前の世代と大きく異なっており、旅行への強い意欲と能力を兼ね備えていると指摘した。

チャーターカー旅行を楽しむ中国の高齢者。(資料写真、天津=新華社配信)

  さらに、「シルバー旅行族」は旅行商品の季節的な変動の平準化や旅行期間の延長、家族旅行の促進、旅行商品の多様化などにおいて積極的な役割を果たし、観光産業構造の最適化・高度化推進に貢献していると語った。

  また、海外旅行をする高齢者も増えている。携程集団のデータによると、旅行先としては日本、米国、タイ、オーストラリア、マレーシアが人気となっており、日本では東京、大阪、京都、札幌、名古屋が人気上位に名を連ねている。

  中国観光研究院の推計によると、中国では第14次5カ年規画(十四五、2021~25年)末、旅行頻度が比較的高く、観光消費が比較的多い、相対的に若く健康な高齢者人口は1億人を上回り、高齢者による観光収入が1兆元(1元=約21円)を超えると見込まれるという。(記者/毛振華、宋瑞)

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