クルーズ船の寄港で中国観光、外国人観光客の新たな選択肢に

クルーズ船の寄港で中国観光、外国人観光客の新たな選択肢に

新華社 | 2024-08-05 16:48:24

天津国際クルーズ母港に停泊するクルーズ船「セレナーデ・オブ・ザ・シーズ」。(4月7日、ドローンから、天津=新華社記者/孫凡越)

  【新華社北京8月5日】中国が5月中旬にクルーズ船で入国する外国人ツアー客を対象に査証(ビザ)免除政策を全面的に実施して以降、上海や天津などのクルーズ港に多くの外国人旅行客が降り立つようになった。

  5月下旬、中国のクルーズ船運航会社、愛達郵輪(アドラクルーズ)が運航する「地中海号(メディテラニア)」が母港の天津港に到着。800人近い外国人旅行客が従来の3分の1の時間で入国手続きを済ませ、北京・天津観光に出かけた。6月末には乗客170人、乗員290人余りを乗せた分譲型の豪華クルーズ船「ザ・ワールド」が上海港に寄港。外国人旅行客100人余りが4日間の上海観光を楽しんだ。

  国家移民管理局は5月15日、クルーズ船の外国人ツアー客を対象に最大15日間のビザ免除を実施すると発表。13都市のクルーズ港でビザなし入国が可能になった。トランジット(通過)ビザ免除の適用港も増やし、大連、連雲港、広州など7都市のクルーズ港が新たに適用対象となった。

天津国際クルーズ母港で税関を通過し、観光に向かう外国籍の乗客。(4月7日撮影、天津=新華社記者/孫凡越)

  交通運輸部傘下の研究機関、水運科学研究院で専門家委員会委員を務める謝燮(しゃ・しょう)氏は、クルーズ船での訪問は他の入国方式と異なり、短い時間で多くの旅行客が入国するため、手続きの効率化が求められると指摘する。

  クルーズ船で寄港した外国人旅行客にとって、限られた時間でいかに効率よく観光できるかが重要な鍵となる。上海では国際クルーズ船を受け入れる旅行会社が、外国人旅行客に「ディープな上海」を体験してもらおうと、外灘や南京路、豫園などの有名観光スポットや古い路地の街並み「里弄(りろう)」などを含む16の特色豊かな観光コースを用意した。

  天津港から入国する外国人旅行客は、北京と天津の2都市を存分に楽しめる。北京の故宮博物院や万里の長城だけでなく、天津の古文化街や人気観光スポット「五大道」などを訪れ、無形文化遺産や地元ならではのおいしい食べ物を体験できる。

北京市の天壇公園祈年殿前で記念撮影するスイスの観光客。(7月9日撮影、北京=新華社記者/鞠煥宗)

  一方、生活水準の向上に伴い、クルーズ船で海外旅行に出かける中国人旅行客も増えている。中国交通運輸協会クルーズ・ヨット分会の鄭煒航(てい・いこう)常務副会長によると、中国は潜在的なクルーズ旅客2千万人を擁する世界第二の供給市場で、大きな成長が見込める。中国交通運輸部によると、今年上半期(1~6月)の全国のクルーズ旅客輸送量は延べ50万人で、第2四半期(4~6月)は第1四半期(1~3月)に比べ60%近く増加した。

  世界のクルーズ船市場が本格的に回復する中、中国のクルーズ産業の台頭も相まって、今後より多くの国際クルーズ船が中国を目的地に選ぶとみられる。(記者/沈氷潔)

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