NATO首脳宣言に断固反対 中国外交部

NATO首脳宣言に断固反対 中国外交部

新華社 | 2024-07-12 09:25:39

   【新華社北京7月12日】中国外交部の林剣(りん・けん)報道官は11日の記者会見で、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が10日採択した首脳宣言で中国を非難したとの質問に、宣言はアジア太平洋地域の緊張情勢を誇張し、冷戦思考と好戦的言論にあふれ、中国に関する内容は偏見と中傷、挑発に満ちているとして強烈な不満と断固たる反対を表明し、NATOに厳正な申し入れをしたと明らかにした。記者とのやり取りは次の通り。

   記者:報道によると、首脳宣言は中国がNATOの利益、安全保障、価値観に挑戦し続け、ロシアの対ウクライナ戦争の決定的な支援者となり、隣国と欧州-大西洋安全保障に対するロシアの脅威を高めていると非難し、NATOは現在、集団意識と準備状態を強め、NATOを分裂させる中国の脅迫的策略と行動を防いでいると表明した。NATO事務総長は、中国による厳しい安全保障上の挑戦に対応するにはインド太平洋諸国との接触を強化する必要があるとし、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、日本と人工知能(AI)やサイバーセキュリティー、虚偽情報、対中抑止に関するプロジェクトを今週にも始動させ、同盟国によるアジア太平洋のパートナーとの海上演習も支持すると述べた。中国はこれをどう考えるか。

   林報道官:今回の首脳会議はNATO設立75年という背景がある。米国とNATOは存続の必要性を示すために会議前から栄光と団結を誇示し、平和維持の組織を装ったが、冷戦の遺産、陣営対抗、集団政治の産物である事実を隠すことはできなかった。

   NATO軍は「人道危機の回避」を掲げつつもユーゴスラビアで78日間の空爆を行った。アフガニスタンとリビアの悲惨な境遇も、NATOの黒い手が伸びたところに不安定と混乱が起きることを物語っている。NATOのいう安全保障は他国の安全の犠牲を代償としており、NATOが売り込む「安全保障上の不安」の多くは自らが作り出したものである。NATOが吹聴するいわゆる「成功」「強さ」は、世界にとって極めて大きな危険を意味している。仮想敵を作って存在を維持し、境界を越えて権力を拡大させるのはNATOの常套手段である。中国に対する「システムへの挑戦」という誤った位置付けに固執し、中国の国内・外交政策を中傷するのもまさにその通りである。

   ウクライナ問題でNATOが「中国の責任」を吹聴するのは道理がなく、下心が険悪である。中国がウクライナ問題で堅持する客観的で公正な立場と建設的な役割は既に国際社会から広く認められている。NATOはいかなる証拠もない状況で、米国が作り出した虚偽情報を拡散し続け、公然と中国を中傷し、中欧関係に水を差し、中欧協力を破壊している。ウクライナ危機が現在まで続くのは誰が火に油を注ぎ、誰が情勢の悪化を後押ししたのか、国際社会はよく分かっている。NATOに対し、責任を転嫁するのではなく、危機の根源と自らの行為を振り返り、国際社会の正義の声に真剣に耳を傾け、実際の行動で情勢の緩和を推進するよう忠告する。

   NATOはアジア太平洋地域に手を伸ばし、中国の周辺国や米国の同盟国と軍事安全保障上の連携を強め、米国の「インド太平洋戦略」に協力している。その行為は中国の利益を損ない、アジア太平洋地域の平和と安定を破壊し、既に地域諸国の疑問と反対を招いている。

   中国はNATOに対し、冷戦思考と陣営対抗、ゼロサムゲームという時代遅れの理念を捨て、誤った対中認識を是正し、中国への内政干渉、中国のイメージの中傷、中欧関係の妨害をやめ、欧州の次にアジア太平洋を混乱させないよう促す。中国は自国の主権、安全、発展の利益を揺るぎなく守り、自らの発展と対外協力で世界の平和と安定により多くの安定性と前向きのエネルギーを注入していく。

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