中国、湖沼の悪化底泥処理技術で重要な進展

中国、湖沼の悪化底泥処理技術で重要な進展

新華社 | 2024-04-09 15:30:08

   【新華社南京4月9日】中国科学院南京地理・湖泊研究所はこのほど、同研究所の研究者が中国雲南省昆明市滇池(てんち)高原湖泊研究院、同省生態環境科学研究院、雲南大学などの科学研究機関と20年余りにわたる共同研究を続け、湖沼の質の悪化した底泥の処理、修復について、鍵となる重要技術を開発したと明らかにした。

  この30年余り、中国では湖沼底質の悪化傾向がますます深刻化している。底質悪化は主に、水系の有機物濃度の過度な上昇と基質の硬化で、水生生物の生存と繁栄を大きく脅かしている。このうち、湖畔でのラン藻堆積や早期の沼沢化は底泥の有機物濃度の過度な上昇を起こしやすく、水生植物に生理障害を引き起こし、根系の生長を阻害する。年間を通じた風波による浸食や乾湿交代の影響を受けて形成された硬質な貧栄養基質は、水力伝導率が低く、通気性と拡散性が低下し、植物の根系や底生動物の穿孔(せんこう)抵抗が増加するため、水生植物の生育が脅かされる。

  今回の研究で、プロジェクトチームは、湖畔に集中する藻類由来の有機堆積物による湖畔底泥質の悪化と生息適性の低下という問題に対し、過度な硫黄汚染を受けた底泥の浅瀬における基質利用と植物生態学的改良を組み合わせた総合的な修復技術を打ち立てた。

  プロジェクトの応用成果によると、高濃度の有機汚染を受けた表層底泥を修復すると、空隙率は徐々に低下し、湖内植物の定着率が2・2倍に向上し、表層堆積物の酸素透過率は3倍以上に向上、底泥中のジメチルトリスルフィドやジメチルスルフィドなどの悪臭物質の平均除去率は70%以上に達した。研究成果によると、植物修復後の湖内植物被覆率は65%になった。

  同成果はすでに同省の滇池、洱海(じかい)、撫仙湖、星雲湖など多くの湖沼・ダム湖生態修復プロジェクトで実用化されている。(記者/王珏玢)

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