中国の若者消費トレンド、23年は「理性的体験消費」 専門家が分析

中国の若者消費トレンド、23年は「理性的体験消費」 専門家が分析

新華社 | 2024-01-05 15:07:03

   12月31日、重慶出身の女性、蘇紫涵(そ・しかん)さん(25)が収集した昨年の「特殊兵式旅行(時間と費用を節約し、特殊部隊の訓練のように過酷な行程で多くの観光地を巡る旅行)」に使用した航空券。(重慶=新華社配信)

  【新華社海口1月5日】中国では2023年、「理性的体験消費」が若年層消費者のキーワードとなった。

  北京出身の辛佐晴(しん・させい)さんは23年、自身の消費計画を日用品と、高級耐久財・ぜいたく品の2種類に分けた。日用品を買う際は、必ず実用的価値を考慮し、コストパフォーマンスを重視していると話す。

  一方、高級耐久財やぜいたく品を買う時は、価格面の考慮は相対的に少なくなる。辛さんは、値段は安いが使用頻度の低い商品を買いだめするよりも、いつも使う気に入った商品にお金を使う方がいいと考えている。高価であっても頻繁に使うのでそれに見合うからだ。

  「高いものを買ってもいいが、高い買い物をしてはいけない」が多くの若者の消費に関する共通認識となっている。

  海南大学国際商学院の李偉銘(り・いめい)教授は、消費観念において、若者はますます現実的になり、自分の実際の消費体験をより重視し、商品が持つ実用性と個人的ニーズが真にマッチすることを求めており、理性的な消費傾向が顕著になっているとの見方を示した。pagebreak

12月31日、北京に住む孫さんがSNSアプリ微信(ウィーチャット)の「朋友圏(モーメンツ)」で投稿した、自身が1年間に見た映画のチケットの半券。(北京=新華社配信)

  昨年上半期(1~6月)、「特殊兵式旅行(時間と費用を節約し、特殊部隊の訓練のように過酷な行程で多くの観光地を巡る旅行)」がソーシャルネットワークで最も人気のキーワードの一つとなった。重慶出身の女性、蘇紫涵(そ・しかん)さん(25)は昨年、「特殊兵式旅行」用の資金を特別に用意した。彼女は「異なる宿泊施設や交通手段で、価格や時間の妥当性など各要素を合理的に比較すれば、実は旅行もコスパが良いものとなる。23年は『特殊兵』式で国内の数々の旅行コースに出かけ、限られた時間の中で多くのプログラムを体験した」と話す。

  昨年10月、2023年中国消費経済ハイレベルフォーラムで「『省(節約)』と『花(消費)』の平均台-2023消費市場若者興趣消費トレンド報告」が発表された。消費産業向けテクノロジー企業、北京値得買科技(ZHI-TECH GROUP)の張艾潮(ちょう・がいちょう)戦略運営副総裁は同報告の説明の中で、今の中国の若い消費者は、機能性製品には基本への回帰をますます求めており、それが「節約」の主な源となっているが、「感情、価値観」が込められた興味・趣味の消費には、お金を「使おう」という意欲を一層強く示していると指摘した。

  2023年12月31日、北京に住む孫さんはSNSアプリ「微信(ウィーチャット)」の「朋友圈(モーメンツ)」で1年間に見た映画のチケットの半券を投稿した。彼女は映画好きで昨年は82本見ており、「去年は映画におそらく4千元(1元=約20円)以上使った。どちらかと言えば古い映画が好きだけど、流行している映画や評判の良い作品も見て応援している」と話す。

  李教授は、市場競争の激化と消費の高度化に伴い、中国の若い消費者の個性化、高品質化、体験化を求める傾向が顕著になり、若者の多くが理性的な体験消費を選択するようになったとの認識を示した。(記者/陳子薇、陳紹華)

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