中国アウトドアスポーツ産業、回復　市場急拡大

   【新華社北京１１月６日】中国では２０２２～２３年にかけて、アウトドアスポーツ産業の回復が進み、市場も急速に拡大している。

   フランス・スポーツ用品大手デカトロンの関係者は「９～１０月はハイキング、キャンプ、スキーなどアウトドア関連商品の販売が好調だった。販売量は前年同期より２０％近く増え、しかも着実な増加傾向を示した」と述べた。

   中国のアウトドア用品メーカー探路者控股（ＴＯＲＥＡＤ）の関係者も、アウトドアウエアの販売が前年同期より大幅に増え、中でも看板商品のジャケットは３年連続で増えていると説明した。

   国家発展改革委員会によると、今年９月以降、消費関連レビューサイトでは「アウトドア・ハイキング」のキーワード検索数が前年同期の４・７倍に増えたほか、ネット通販での釣具・釣り用品の販売量は２・５倍、ドライブ・キャンプ用品は２・７倍に増加した。

   １０月２７日から３日間の日程で開かれた２０２３年中国アウトドアスポーツ産業大会で発表されたリポート「中国アウトドアスポーツ産業発展報告（２０２２～２３）」によると、関連企業の収益力は向上が続き、関連上場会社７社の純利益は合計で２０年が５億４千万元（１元＝約２０円）、２１年が前年比１８・２％増の６億４千万元、２２年が１７・７％増の７億５千万元だった。

   企業情報サイト「天眼査」によると、中国の既存のアウトドアスポーツ関連企業は２６万社余りで、今年１～９月の新規企業登録数は５万５千社を超え、前年同期の２倍に増加した。企業情報サイト「企査査」のデータでは、２３年に新設されたアウトドアスポーツ施設関連企業数は現時点で５万６１００社、うち１～９月は９６・６％増の５万３４００社に上った。

   「中国アウトドアスポーツ産業発展報告（２０２２～２３）」によると、アウトドアスポーツ分野では資金調達も活発だった。案件数のスポーツ産業全体に占める割合が着実に上昇して上半期（１～６月）には３０・８％に上り、民間資金のアウトドアスポーツ産業の発展に対する楽観的な見方が示された。

   中央財経大学スポーツ経済研究センターの王裕雄（おう・ゆうゆう）主任は取材に対し、中国のアウトドアスポーツ市場は規模が急速に拡大しているところで、巨大な成長性を見せているとの認識を示した。

   市場調査会社の艾媒諮詢（ｉｉメディアリサーチ）の張毅（ちょう・き）最高経営責任者（ＣＥＯ）兼チーフエコノミストは、アウトドアスポーツに関心を持ち、参加する人々が中国国内で増えており、消費の質と高度化に対する消費者のニーズが市場全体の発展につながっているとの見方を示した。