中国、米国のWTOルール順守に関する報告書を初めて発表
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中国、米国のWTOルール順守に関する報告書を初めて発表

新華社 | 2023-08-13 10:07:39

   【新華社北京8月13日】中国商務部は11日、米国の世界貿易機関(WTO)でのコンプライアンス(法令順守)に関する報告書を初めて発表した。米国のWTOルール上の義務履行状況を整理して総体的な評価を行い、米国による多角的貿易体制の破壊や一方的な「通商いじめ」、産業政策のダブルスタンダード(二重基準)、世界の産業チェーン・サプライチェーン(供給網)かく乱などの政策措置に対する懸念を指摘した。

   計85ページで①関税・非関税障壁②産業助成金③農業助成金④貿易救済⑤標準規格・技術法規と合格評定手順⑥サービス貿易⑦知的財産権⑧輸出規制と経済制裁⑨投資審査政策⑩米国製品の購入⑪国際的な経済・貿易協力における差別的取り決め-の11分野での米国の政策措置に対する具体的な懸念に言及している。

   報告書は、米国をWTOメンバーから最も多く紛争解決を提起された国だとした上で、米国はWTOの裁定を選択的に執行しているだけでなく、上訴機関のメンバー選定も意図的に妨害して「機能不全」状態に陥らせる「多角的貿易体制の破壊者」だと指摘。「国家の安全」「人権」「強制的な技術譲渡」などを理由に長きにわたり、他のメンバーに一方的な措置を講じ、意のままに追加関税を課したり貿易救済を乱用したりするとともに、自らの経済・貿易分野での優越的地位を利用して他のメンバーに米国の外交政策や理不尽な要求に従うよう脅迫してきた「一国主義的いじめ行為の実行者」でもあるとした。また、米国は排他的で差別的な助成金・支援政策を大規模に実施し、輸出規制などの手段を利用して他のメンバーの産業発展を抑制する「産業政策のダブルスタンダード操縦者」としたほか、「デカップリング(切り離し)」「チェーン分断」を引き起こし、一方的な関税措置による産業チェーンのリショアリング(国内回帰)の強制や巨額の助成金による米国中心の産業チェーン・サプライチェーンの確立、いわゆる「価値観」を基にしたニアショアリングやフレンドショアリングの推進をたくらむ「世界の産業チェーン・サプライチェーンのかく乱者」だと指摘した。

   報告書はさらに、世界一の経済大国であるとともに、多角的貿易体制の主要な創設者で重要な受益者でもある米国が、ルールを順守し公約を履行して、主要メンバーとしての模範的な役割を発揮するとともに、多角的貿易体制の権威性や完全性、有効性を擁護するため然るべき貢献を果たし、中国を含む他のメンバーと共に多角的貿易体制がグローバルガバナンスにおいて一層大きな役割を発揮するよう推進すべきだとした。

   中国商務部WTO司の責任者は報告書について、米国のWTOルール上の義務履行に関する客観的状況に基づき、米国の関連政策措置に対する懸念を示し、事実とルールを重んじるWTOの良き伝統を擁護するものであると説明。中国はこれを機に米国が誤った言行を速やかに是正し、WTOルールや自身の公約を確実に守り、多角的貿易体制の権威性や完全性、有効性を積極的に擁護するよう望むとともに、中国はこれまで通り各方面と緊密な意思疎通や協力を進め、WTO改革に全面的かつ深く参加し、多角的貿易体制が世界経済のガバナンスにおいて一層大きな役割を発揮するよう共に努力していくと表明した。

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