中国外交部、仁愛礁問題でフィリピンに厳正な申し入れ

中国外交部、仁愛礁問題でフィリピンに厳正な申し入れ

新華社 | 2023-08-09 08:11:11

   【新華社北京8月9日】中国外交部の報道官は8日、フィリピン外務省が仁愛礁問題で声明を出したことについて記者の質問に答えた。

   記者:フィリピン外務省は7日、中国海警が5日に南沙諸島の仁愛礁海域で座礁する軍艦へ定期補給を行うフィリピンの補給船と沿岸警備船を阻止し、放水銃で攻撃したことについて、国連海洋法条約と南中国海仲裁裁定に違反し、フィリピンの主権的権利と管轄権を侵害したとの声明を発表した。これにどうコメントするか。

   報道官:フィリピンが中国南沙諸島の仁愛礁へ建設資材を不法に輸送し、海上の事態を引き起こしたことについては、中国海警局の報道官が既に詳しく説明している。外交部はフィリピンに厳正な申し入れを行った。

   私が強調したいのは、仁愛礁が中国南沙諸島の一部であることだ。フィリピンは仁愛礁で不法に座礁させた軍艦を撤去すると何度も明言してきたが、24年が経過しても撤去するどころか大規模な修繕や補強を行い、仁愛礁の恒久占拠をもくろんでいる。フィリピンの行為は国際法および中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)が調印した「南中国海に関する行動宣言(DOC)」に対する重大な違反である。中国はフィリピンに対し、仁愛礁に座礁させた軍艦を直ちに撤去し、仁愛礁を無人、無施設の状態に戻すよう改めて促す。

   南中国海仲裁裁判所のいわゆる裁定は、国連海洋法条約を含む国際法に違反しており、不法で無効だ。中国は裁定を受け入れず、承認せず、裁定に基づくいかなる主張も行動も認めない。この立場は明確かつ確固たるものであり、国際的な法の支配を守るための正当な措置である。

   中国は一時期から、外交ルートを通じて仁愛礁問題でフィリピンと何度も意思疎通を図り、不法に座礁させた軍艦に大規模な修繕・補強のための建設資材を輸送しないよう明確に求めるとともに、仁愛礁の事態をコントロールするための措置について双方が早期に協議するよう提案してきた。しかし、フィリピンは中国の善意と誠意を無視し、仁愛礁に座礁させた軍艦を修繕・補強するための建設資材の輸送をかたくなに進めた。これが今回の事態の原因である。中国海警は法に基づき、中国の主権と海洋権益を守るための措置を講じた。現場の対応はプロフェッショナルかつ抑制的であり、非難される点はない。

   フィリピンは中国の重要な海上の隣国であり、双方はこれまでも海上争議のコントロールについて重要な共通認識を得てきた。中国は引き続き対話と協議を通じてフィリピンと海上問題を適切に処理し、2国間関係と海上情勢の安定を共同で守っていきたいと考えている。

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