16日、東電本社前で放射能汚染水の海洋放出計画の中止を求める市民ら。(東京=新華社記者/張笑宇)
【新華社東京5月17日】東京電力福島第1原子力発電所の放射能汚染水を海洋放出する計画に反対する市民数百人が16日、東京電力本社前や衆議院第二議員会館前などで集会を開き、東電に計画の中止を求める要請書を提出した。
東電本社前では東京や福島、長崎などから集まった人々が「汚染水を海に流すな」「みんなの海を汚すな」「海は原発のトイレではない」などのスローガンが書かれた色とりどりの横断幕やのぼりを掲げながら、「海を汚すな」「漁業を守れ」「未来を守れ」などと唱和した。
福島から来ていた「これ以上海を汚すな!市民会議」共同代表の佐藤和良さんは、日本政府は当初から放射能汚染水を海洋放出するつもりだったため、他の放出方法や陸上保管は不可能など、あれこれ言い訳をしてきたと指摘。政府は多額の費用をかけてさまざまなメディアを通じて汚染水放出計画の広報活動をしているが、政府の言い分は信じられないため、このような行動を通じて大きな反対の声を世界に届けたいと語った。
もう一人の共同代表の織田千代さんは、東電の代表者に向けて要請書を読み上げ、手渡した。要請書では①関係者の理解と同意が得られるまで放射能汚染水を海洋放出しないという福島県漁業協同組合連合会などとの約束を守る②全ての放射性核種の濃度や総量などの情報を公開する③海洋環境や生物への影響を再評価する④汚染水を長期保管する大型タンクの建設を検討する⑤トリチウム分離技術の実用化を促進する-ことなどを東電に求めた。
衆議院第二議員会館前の集会には、立憲民主党や社会民主党など野党の国会議員5人も参加した。pagebreak
16日、衆議院第二議員会館前で放射能汚染水の海洋放出計画の中止を求める市民ら。(東京=新華社記者/張笑宇)pagebreak
16日、東電本社前で要請書を読み上げる「これ以上海を汚すな!市民会議」の織田千代共同代表(中央)。(東京=新華社記者/張笑宇)pagebreak
16日、東京で放射能汚染水の海洋放出計画の中止を求める市民ら。(東京=新華社記者/張笑宇)