【新華社マニラ5月5日】フィリピン商工会議所(PCCI)のジョージ・バーセロン会頭はこのほど、マニラで新華社の単独インタビューに応じ、経済規模が最も大きく、最も活力のある新興経済国である中国の経済回復は、世界の経済回復と発展にとってプラスとなると語った。
バーセロン氏は、中国の第1四半期(1~3月)の国内総生産(GDP)が前年同期比4・5%伸びたことは積極的なシグナルになり、中国経済の強靱(きょうじん)さと底力を示したとし、中国の経済活動と需要の回復は東南アジア地域と世界の経済成長により多くの原動力を注入するとの見方を示した。
中国国家統計局が先月発表したデータによると、第1四半期のGDPは前期(22年10~12月)比2・2%伸びた。新型コロナウイルス感染症の沈静化に伴い、成長や雇用、物価の安定を図る各種の政策・措置が次々に功を奏し、多くの好材料が蓄積され、国民経済は安定の中で回復し、23年の好調な滑り出しを切った。
バーセロン氏は、中国経済は過去3年、厳しいリスクと試練に耐え、世界経済の回復を後押しするその働きに対する外部の信頼感を高めたと指摘。中国ではエネルギー価格が総じて合理的な水準で推移し、中国は低インフレを維持、生産コストで依然として競争力を持っていると評価した。
バーセロン氏が感銘を受けたというのが、中国の新原動力の急成長だ。中国はイノベーションによるけん引を強め、新興産業の育成・発展に取り組み、製造業のコア競争力を絶えず高めてきた。「イノベーションとハイテク分野への大規模な研究開発投資はバリューチェーンの川上へのシフトにとって極めて重要だ」とバーセロン氏は語る。
最新データによると、中国の第1四半期のモノの貿易額は前年同期比4・8%増の9兆8877億元(1元=約19円)。バーセロン氏は、中国はよりハイレベルな開放型経済新体制の構築を加速し、制度型開放を積極的に推進、世界経済の発展により多くのチャンスをもたらしていると指摘。「中国には広大な国内市場がある。外部は中国経済のより高い成長を見込んでいる。これは他国の製品に対する中国の需要が引き続き増加し、中国のハイレベルな対外開放から他国が恩恵を受けることを意味している」と述べた。
フィリピン上院はこのほど、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定を承認、協定の正式な発効に向けた国内での最後のハードルを乗り越えた。バーセロン氏は、中国は地域の経済協力の重要な参加者であり、両国の経済・貿易協力はRCEPの枠組みの下でウィンウィンの新たなチャンスを迎えるだろうと期待感を示した。