ドーパミン溶液の投与後、すぐ横にいるスズメバチへの恐怖心が大幅に低下したミツバチ。(資料写真、シーサンパンナ=新華社配信/譚墾)
【新華社昆明4月20日】中国科学院西双版納(シーサンパンナ)熱帯植物園の譚墾(たんこん)研究員が率いるチームが、ミツバチのダンス、警報信号、脳ドーパミン値の記録や分析、マーキングにより、危険に遭遇したミツバチのドーパミン値が大きく下がることを発見した。天敵のスズメバチに攻撃されたミツバチは脳のドーパミン値が大幅に低下し、ハチの群れに警報信号を発する。ドーパミン溶液を餌として投与したミツバチは攻撃への恐怖心が大幅に薄れ、スズメバチが目の前にいてもいつも通り食物の摂取を続ける。研究成果は北京時間13日、国際学術誌「カレントバイオロジー」電子版に掲載された。
譚氏は「この実験からは、ミツバチが緊張したり恐怖心を覚えたりした際、ドーパミン値の水準を上げれば、ミツバチのストレス耐性を顕著に高められることが分かった」と語った。
研究では、ミツバチが危険を知らせる複雑なメカニズムも発見された。ハチの巣で危険に気づいたミツバチは、8の字ダンスを踊るほかのミツバチに頭でぶつかり、ダンス回数を減少させる。これが警報信号になり、ハチの群れに防衛行動を取らせる。
ドーパミンは一種の神経伝達物質で、人類と動物の欲望や衝動、報酬、依存の神経回路で調節役を果たし、興奮と喜びのメッセージを伝える。譚氏は「脳のドーパミン値が高ければ高いほど、ミツバチの採蜜行動はより積極的になる」と指摘した。(記者/岳冉冉)