【新華社北京3月24日】中国の習近平(しゅう・きんぺい)国家主席はロシアのプーチン大統領の招きに応じ、20~22日に同国を国賓として訪問した。習近平、プーチン両氏は、中ロ関係や共に関心を寄せる重要な国際・地域問題について、誠実かつ友好的で、実り多い会談を行い、新たに多くの重要な共通認識に達した。
国際社会も今回の訪問を高く評価し、この友好、協力、平和の旅は歴史の一里塚としての意義を持つとの認識を示した。新華社の取材に応じた多くの国の人々は、両首脳の戦略的指導の下、中ロは新時代の全面的戦略協力パートナーシップの内容を絶えず豊かにし、各分野の実務協力を引き続き深化させ、両国民により多くの利益をもたらしていると指摘。今回の訪問は世界にも深遠な影響を与え、グローバルガバナンス・システムの変革と整備、人類運命共同体構築の推進、人類の進歩事業の促進により大きく貢献するとの見方を示した。
ロシア・サンクトペテルブルク国立大学東洋学部のニコライ・サモノフ教授は「習近平主席の今回の訪問は、間違いなくロ中の新時代の全面的戦略協力パートナーシップを一層深化させ、両国関係を新たな段階に押し上げることになる」と述べ、両国関係は首脳外交のリードの下で新たな高みに達したとの考えを示した。
ボリビアのワナクニ元外相は「中ロの新時代の全面的戦略協力パートナーシップは、首脳外交のリードの下で意味合いをさらに充実させ、両国民により多くの福祉をもたらす」との見方を示し、覇権主義や一国主義が台頭する現在の情勢下で、今回の訪問は世界により多くの安定性と確実性を注入したとした。「中ロ関係は現在の大国関係の手本となった。中南米諸国が協力を模索する上でも有益な手本になる」とも語った。
サウジアラビアのシンクタンク、科学研究・知識交流センターのブドラ・ファラジ中国・ロシア問題専門家は、両国首脳の会談は世界の注目を大いに浴びたと指摘。中国とロシアは常に互いを尊重して対等に接し、「同盟せず、対抗せず、第三者を対象にせず」を堅持しており、このような理念は、ますます多くの国の支持を得ていると述べた。
中ロの2国間貿易額はこの10年で約2・2倍になった。これは容易なことではない。昨年以降は全方位的な実務協力も多くの成果を収め、基盤が安定し、相互補完性が強く、強じん性が十分という特徴が持続的に見られた。
ロシア国立研究大学経済高等学院(HSE)・欧州国際総合研究センターのワシリー・カーシン所長は、今回の首脳会談の成果の中でも二つの共同声明と複数の協力文書が非常に重要だと強調。工業、エネルギー、物流分野での協力強化や、両国の工業企業が参加する新たな産業チェーンの構築を掲げたことは、ロ中関係が新たな重要な進展を遂げ、双方が各分野で新たな段階の協力を始めたことを意味すると指摘した。
ロシア科学アカデミー東洋学研究所のアンドレイ・オストロフスキー首席研究員は、今回の訪問が両国協力を新たなレベルに押し上げると指摘。ロシアと中国は引き続き貿易交流を強化し、投資の強度を高めて範囲を広げるとし、今後のエネルギー、金融、科学技術、宇宙、人的・文化交流などの分野における協力は大いにやりがいがあるとの見方を示した。
習近平氏はプーチン氏との会談で、現在は百年来の変局が急速に進み、世界の力関係が大きく変化しているとし、中ロは国連安保理常任理事国、世界の主要な大国として負うべき責任があると指摘。共に努力してグローバルガバナンスが国際社会の期待に合致する方向に進むよう導き、推進し、人類運命共同体の構築を推し進める必要があると表明した。
ロシア新聞のネゴイツァ社長はこれに強く共感。人類運命共同体構築の理念は全ての人に密接に関わり、今の時代と世界に大きな意義を持つとの認識を示した。習近平主席の今回の訪問で中ロ両国の首脳が達した共通認識は、両国がオープンで繁栄する世界の構築に努めていくことを改めて示しているとも指摘した。
カンボジアのベルティ国際大学で長く研究を続けるジョゼフ・マシューズ教授は「多国間主義は世界の平和と発展の鍵であり、この流れを阻むことはできない」と述べ、中国とロシアは国際機関や地域機構の重要メンバーとして、共同で多国間主義のプロセスを主導し、世界秩序のバランスと安定を保つ役割を果たしていると評価した。
習近平主席がウクライナ問題に関して述べた「中国は常に国連憲章の趣旨・原則を順守してきた。客観的かつ公正な立場を堅持し、積極的に和平を促してきた。事の理非曲直に基づき自国の立場を決め、常に平和の側、対話の側、歴史の正しい側に揺るぎなく立ってきた」という言葉は、世界中の人々の心に響いた。
ボリビアのワナクニ元外相は、中国のウクライナ問題における立場を称賛し、責任ある誠実な対話がウクライナ問題を解決する最善の方法であり、地域全体と世界にとっても有益だと語った。中国の発展を長年観察してきた英専門家、キース・ベネット氏は、大国は積極的に模範を示すべきだと強調。中国の立場はウクライナ危機の解決に向けた公正かつ現実的な平和の道を示しているとの考えを示した。