【新華社北京3月21日】中国の習近平(しゅう・きんぺい)国家主席は20日、ロシア公式訪問に先立ち、同国紙「ロシア新聞」、RIAノーボスチ通信のウェブサイトに「奮い立って前進し、中国とロシアの友好協力と共同発展の新たなページを開く」と題した署名入り文章を寄稿した。抜粋した内容は次の通り。
現在の世界は、百年来の大変局の中にある。平和と発展、協力、ウィンウィンという歴史の流れを押しとどめることはできない。世界の多極化、経済のグローバル化、国際関係の民主化の大勢を後戻りさせることもできない。一方で、伝統的、非伝統的安全保障上の課題は複雑に絡み合い、覇権と覇道、いじめ行為による危害は深刻さを増し、世界経済の回復の道も険しく長い。国際社会は不安を募らせ、危機を消し去る協力に向けた良策を待ち望んでいる。
ウクライナ危機は昨年以降、全面的にエスカレートしている。中国は常に事の是非に目を向け、客観的で公正な立場を堅持し、積極的に和平交渉を推進してきた。私が相次ぎ打ち出した幾つかの主張には、国連憲章の趣旨・原則の順守、各国が持つ正当な安全保障上の懸念の尊重、危機の平和解決に資するあらゆる努力の支持、世界の産業チェーン・サプライチェーンの安定確保などが含まれており、中国がウクライナ危機に対処するための基本原則になっている。
中国は少し前にも「ウクライナ危機の政治解決における中国の立場」を発表した。文書は、各国の正当な懸念を取り入れ、ウクライナ危機問題における国際社会の最大公約数を体現しており、危機の外部波及を緩和し、政治解決を促すため、建設的な役割を果たしている。複雑な問題に簡単な解決策はない。各国が総合的かつ協力的で持続可能な共通の安全保障観を持ち、対等で理性的、実務的な対話と協議を堅持するなら、危機を解決するための合理的方法、世界の恒久平和と普遍的安全を実現する輝かしい道を探し出せると信じている。