中国独自開発の大気CO2逆解析システム、GCPの認証を取得

中国独自開発の大気CO2逆解析システム、GCPの認証を取得

新華社 | 2022-11-29 19:31:19

  23日、第2次青蔵高原科学調査の「気候変動と炭素循環」をテーマとした学術交流イベント。(北京=新華社配信)

 【新華社北京11月29日】中国の第2次青蔵高原科学調査の「気候変動と生態系の炭素循環」調査分隊が独自開発した大気二酸化炭素(CO2)逆解析システムが国際共同研究事業「グローバル・カーボン・プロジェクト(GCP)」の認証を取得した。23日に開かれた同調査の「気候変動と炭素循環」をテーマとした学術交流イベントで明らかになった。

 「貢嘠(コンガ)」と名付けられた同システムは優れた分析精度によってGCPが導入した四つの先進的評価システムの仲間入りを果たした。今後は国際的炭素収支評価に中国のシステムとデータを提供する。

 GCPはグローバルな炭素循環研究に取り組む国際非政府組織(NGO)で、過去十数年にわたり、世界の主要温室効果ガスの収支に関するリポートを毎年公表している。その成果は気候変動に関する国連政府間パネル(IPCC)の第5次、第6次評価報告書や国際的気候変動政策の制定の科学的根拠となっている。

 大気CO2の逆解析は入手可能な大気CO2濃度観測データに基づき、世界と地域の炭素排出・吸収量を推定(または試算)する方法で、国際的炭素収支評価を行う上で重要な一部となっている。中国の科学者はこれまで、独自開発した炭素収支評価モデルが不足していたことから、GCPには主に基礎データを提供していた。

 中国科学院青蔵高原所副所長の朴世竜(ぼく・せいりゅう)院士(アカデミー会員)は、「今回の成果により、中国科学者の炭素収支評価における役割がデータ提供者から大気逆解析分野の先行者に変わった。グローバルな炭素収支報告書の作成と気候政策の制定における中国の発言権も高まった」と語った。

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