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中国、宇宙ステーションに国家宇宙実験室を設置へ

新華社 | 2022-06-06 07:53:12 | 編集: 陳辰

   【新華社酒泉6月6日】中国有人宇宙プロジェクトの報道官、林西強(りん・せいきょう)同プロジェクト弁公室副主任は4日に開いた有人宇宙船「神舟14号」の宇宙ミッションに関する記者会見で、神舟14号のミッション期間中に、コアモジュール「天和」と実験モジュール「問天」「夢天」を基本構成とする宇宙ステーション「天宮」の建造が完了し、国家宇宙実験室が完成すると発表した。実験モジュール「問天」は宇宙生命科学研究に用い、「夢天」は微小重力科学研究に用いることも明らかにした。

   林氏は、中国の宇宙ステーションは国家宇宙実験室として25台の実験キャビネットを配置できると説明。各キャビネットはそれぞれが小型宇宙実験室であり、一つの研究分野、または学際的研究分野の実験が行え、全体として世界の先進水準に達しているという。

   林氏によると、「問天」は主に宇宙生命科学研究用であり、生命生態やバイオテクノロジー、重力変動科学などの実験キャビネットが配置される。宇宙環境下における複数の植物や動物、微生物などの成長、発育、遺伝、老化などの反応メカニズムの研究のほか、閉鎖生態系での実験研究が行える。可視光や蛍光、顕微鏡イメージングなど各種オンライン検出方法を通じた分子、細胞、組織、器官など多層的な生物実験研究、異なる重力条件下における生物の成長メカニズムの比較研究にも対応している。

   「夢天」は主に微小重力科学研究用で、流体物理学や材料科学、燃焼科学、基礎物理学、宇宙技術試験など複合領域の実験キャビネットが配置され、重力下での混相流・相転移伝熱、基礎燃焼プロセス、材料凝固メカニズムなど物質の本質的性質の研究のほか、極低温原子物理学など最先端の実験研究をサポートする。また、天宮2号に搭載された宇宙空間用の低温原子時計をベースに、水素メーザー原子時計、ルビジウム原子時計、光格子時計からなる世界初の宇宙空間低温原子時計セットを構築する。宇宙で周波数の安定性と精度が最も高い時間-周波数システムを構成し、重力赤方偏移や微細構造定数測定などの最先端科学研究を実施する。

   船外実験に用いるための材料船外暴露実験装置とコンポーネント・モジュール船外汎用実験装置も用意された。今後は宇宙ステーションと同一軌道を飛行する宇宙望遠鏡研究施設「巡天」も打ち上げ、広域宇宙観測を行う。

   宇宙ステーションの建設段階では、これらの船内実験キャビネット、船外実験装置、宇宙望遠鏡「巡天」を利用した100件近くの実験研究プロジェクトが予定されている。宇宙ステーションの常態化運用後は、さらに大規模な科学研究を実施する。暗黒物質(ダークマター)と暗黒エネルギー(ダークエネルギー)▽銀河の形成と進化▽物質の本質的性質▽生命現象の本質と宇宙での人の反応メカニズム変化の法則▽地球の持続可能な発展-などの重要な先端科学の主要課題の進展を強力に促進し、今後実施される中国の地球周辺およびその先の有人宇宙探査に向け、奥深い科学的、技術的蓄積を提供する。

   

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