【新華社上海11月22日】中国経済の重要都市、上海市は新型コロナウイルスの影響が世界を覆う中でも多くの外国企業を引き付け、中国さらには世界で最も魅力ある投資先の一つであり続けている。同市の1~10月の外資導入額は、実行ベースで前年同期比6・2%増の171億7900万ドル(1ドル=約104円)に上った。
同市は19日、新たに認定した多国籍企業30社の地域本部、10社の研究開発センターに認定証を授与した。上海では今年、多国籍企業の地域本部43カ所と外資系研究開発センター16カ所が新たに増え、その数はそれぞれ763、477となった。
今回認定証を受けた40社の大半は、上海市が重点開発分野と位置付けるバイオ医薬や情報技術、自動車、スマート製造、集積回路などを手掛けている。そのうちの1社、スウェーデンの化粧品販売会社「オリフレーム」の董明華(とう・めいか)中国地区シニア・オペレーションディレクターは「上海には世界一流のビジネス環境があり、多国籍企業の事業を力強く支えている」と述べた。
同市では、生産面での感染対策が効果を上げ、工場が迅速に操業と生産を再開したほか、販売面での回復も急速に進んだ。フランスの化粧品大手ロレアルや宝飾品大手ケリングなどは、コロナ下で急成長した電子商取引(EC)がこれらの結果に欠かせない役割を果たしたと考えている。
越境ECを通じて中国市場の動向を探り、「超人気商品」をオフライン(実店舗)の販路に投入する。スペインのスキンケアブランド「ISDIN」は、このようなデジタル化された新方式により中国で急速にシェアを拡大した。
同社の鄭燕妮(てい・えんに)小売・流通チャネル担当総経理は、中国のEC環境と整備された物流インフラが同社に急成長の機会を与えたと指摘。今年の業績は現時点で既に前年同期の実績を上回っていると説明した。
同市で今月上旬に開かれた第3回中国国際輸入博覧会は、成約意向額が年間規模で726億2千万ドル(1ドル=約104円)に上るなど、新型コロナの警戒が続く中でも経済・貿易協力の成果が過去2回を上回った。ますます多くのグローバル企業が、輸入博を通じて開放に向けた中国の決意と中国市場の潜在力を認識した。
アシックスは今回の輸入博で初めて設けられた「スポーツ用品・競技専門コーナー」で人気を集めた。同社は輸入博終了後、上海市に大中華圏(グレーターチャイナ)の拠点を置くと発表した。
同社大中華圏の関係責任者は「中国経済の先行きと市場の潜在力に十分な自信がある。輸入博の助けを借りて、より多くの最先端製品を中国の消費者に届けていきたい」と語った。(記者/姚玉潔、周蕊、呉宇)
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