【新華社蘭州9月15日】新型コロナウイルスが世界の移動に大きな影響を与える中、草原や砂漠、山河、湖水などの自然資源に恵まれる中国西北部の多くの地域は夏以降、観光の最盛期を迎えている。
甘粛省南部にあり青海、四川両省と境を接する甘南チベット族自治州は、西部地域でも魅力的な観光地の一つとされる。ここ数年は貧困脱却を切り口に生態環境の改善を続け、観光業を主体に地域の協調発展を図る「全域観光村」などの建設に注力するなど、農牧民の貧困脱却と所得増加をけん引している。
1~8月に同自治州を訪れた観光客は前年同期比13・7%増の1358万2577人。観光収入は11・6%増の67億4205万元(1元=約16円)に達した。
甘粛省と青海省をまたぐ環状観光路線の中心となる敦煌でも、今夏は観光が盛り上がりをみせた。観光地の入場券が手に入りにくい状況となり、人気の鳴沙山・月牙泉エリアの1日当たり観光客数は連日1万人を超えた。
統計によると、1~7月に甘粛と青海両省が受け入れた観光客は1億1500万人で、観光収入は786億700万元に上った。前年同期比の観光客数は甘粛省で47%、青海省で60%まで回復した。
新型コロナにより観光の安全性に対する人々の関心も高まった。中国観光研究院などの調査によると、新型コロナ対策が日常化した後では、回答者の4割以上が公共交通機関を使わないドライブ旅行を選択していることが分かった。また多くの観光客が「西北地域の恵まれたアウトドア資源や縦横に張り巡らされた道路網、整備が進むサービス施設は自らの観光ニーズに合致する」と評価している。観光業の発展は現地の貧困脱却にも寄与した。「農家楽」と呼ばれる農家民泊は、一部で空きを探すのが難しいほどの活況を呈している。
一部の業界関係者は、中国を訪れる外国人観光客が新型コロナの影響で減少する中、西北地域の観光業が回復基調にあることについて、国内消費者の観光需要の旺盛さを反映しているとの見方を示している。
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