4日、イギリスのロンドン市の眺め。新型コロナウイルスの英国経済への影響は「拡大する可能性はあるが、最終的には一時的なものになる」と、イングランド銀行(BoE)のマーク・カーニー総裁は述べた。(ロンドン=新華社配信/Tim Ireland)
【新華社北京3月11日】新型コロナウイルスによる肺炎の感染者数は全世界で10万人を超え、米国、欧州、韓国を含む世界の主要経済国の市場にその影響が及んでいる。
一方、中国においては全国的な職場復帰や生産再開などの前向きな動きが進み、経済回復への希望をもたらしている。これは「世界経済にとって良い兆候」であると一部の専門家は言う。
経済成長の鈍化が懸念される中で米国の株式市場は下落が続き、先週末の3月6日も前日より値を下げたまま取引を終えた。独DAX指数は下落を続けており、ここ2週間で13%以上減少している。
6日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)で働くトレーダー。この日、米国株は下落したまま取引を終えた。(ニューヨーク=新華社配信/Michael Nagle)
国際通貨基金は3月4日、2020年の世界経済成長率は昨年(19年)の2・9%を下回るという判断を発表した。同機関は2月、すでに20年の成長率を3・2%に下方修正していた。
しかし、主要経済大国、特に新型肺炎で大打撃を受けた国は、それに対処するための経済刺激策を展開している。
5日、韓国テグ市のキムグァンソク(Kim Kwangseok)通りを殺菌する防護服を着た韓国軍兵士。(テグ=新華社配信/Lee Sang-ho)
中国以外で最も新型肺炎の感染者数が多い韓国は4日、個人消費下支えのために98億ドル(1ドル=約105円)相当の補正予算案を発表した。これは韓国において過去7年で最大の補正予算となる。
新型肺炎感染者が欧州で最も多いイタリアは、隔離下に置かれているイタリア北部の11都市の企業と世帯を支援するものとして約10億ドルの緊急措置を可決した。
この措置には、一部の支払いの停止、納税および住宅ローンの猶予が含まれる。イタリア内閣は5日、金融刺激策の第2弾としてより広範な措置を発表した。
生産活動の約60%が再開し、対外貿易企業への支援策が打ち出されるといった中国の動きは、外国の業界リーダーや経済専門家に高く評価されている。
新型肺炎の流行に対する中国政府の措置、特に商務部が外国企業支援のために講じた措置を、英国貿易委員会で中国を担当するリチャード・バーンは称賛している。同氏は「これらの支援策は国内外の企業に同様に適用され、英企業が困難を乗り越えるための強力な保証となる」と述べた。
中国安徽省の合肥循環経済モデル園区にある合肥ユナイテッド・イニシエーター社で電解槽を検査する従業員。(2月18日撮影、合肥=新華社配信/周牧)
シンガポール事業連盟のテオ・シオン・セン議長も新型肺炎の発生にもかかわらず、シンガポールと中国の貿易関係に対する信頼を表し、両国の貿易関係は強固かつ安定的であると述べた。
中国における新型肺炎との戦いに明るい見通しが出ていることから、投資調査会社MRBパートナーズは、「第1四半期(1~3月)、場合によっては第2四半期(4~6月)の直接的影響は否定的だが、投資家は20年における世界的な景気後退の恐れはないという結論に達するだろう」という見解を発表した。
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